原口卓士

原口卓士 / はらぐちたくし

粉青青瓷は、主に南宋の龍泉窯で制作されていた美しい神秘的な青を纏った焼き物である。
その色合いは、青玉のようであり、また「雨過天青 雲破処」と形容される雨が過ぎ去った後、雲間から見えるさわやかな青色をもって形容される。
原口さんは、その粉青を現代に蘇らせた数少ない陶芸家である。鉄を含んだ青釉を厚く、時にはその生地の厚みより厚くなることもある。この厚みによって外から入った光が、拡散されて神秘的な青を呈する。
うつわの生地つくり、釉薬掛け、超還元の焼成とは、困難を極め、歩留まりもよくないのが実情である。
生地つくりによって腕の筋を痛め、歩留まりの悪さによって身代を潰す、と云われるのもむべなるかな、であろう。
さあ、今夜は粉青の酒杯で「月下独酌」といこうではないか。

加藤隆彦

加藤隆彦 / かとうたかひこ

隆彦さんのうつわは、激しい出来のものも多い。
作家としての追求の結果であろうし、またわが方の好みから来る嗜好の結果でもあろう。
ゆえに見ていて、触れていて、使って飽きないということだ。

加藤肇

加藤肇 / かとうはじめ

加藤肇さんの信楽は、男性的なところと、不思議と柔らかな女性的な風合いをもつところとが交じり合っている。
飽きない魅力がある。1946年生まれという年齢もあわせ深みを感じさせる。

新倉晴比古

新倉晴比古 / にいくらはるひこ

遥か、いにしえにガラスは、「瑠璃」あるいは「玻璃」と呼ばれたそうだ。
「るり」は青色=瑠璃色のガラス。
「はり」は透明なガラスのことだろうか。
新倉さんは、ガラス作家である。無論、素材では、色ガラスは当然のこととして、さらに金箔、銀箔、プラチナ箔などを使用、宙吹き、型吹き、溶着などの技法を駆使して作品を制作する。
そういう人の作る酒のうつわをご覧いただきたい。夏の宵に愉しんで「真夏の夜の夢」とするのもいいだろう。
秋・冬の長夜にあえて吟醸酒の清澄さを味わうために、ガラスのうつわを掌に載せてみるのも、また愉しからずや、である。


奈良ガラス工房主宰、日本ガラス工芸協会会員、奈良市美術家協会会員

・1954 神奈川県生まれ
・1979 多摩美術大学立体デザイン科卒業
・1999 サントリー美術館「日本のガラス2000年」展に招待展示
     「’99日本のガラス展」会員部門賞
・2005  「’05日本のガラス展」藤田喬平賞’05受賞
・2009 JR神戸駅ガラスモニュメント制作、あずきミュージアム(姫路)壁面オブジェ制作

川端文男

川端文男 / かわばたふみお

 

1948年   神奈川県横浜市生まれ

1975年   窯元 金重利陶苑に入苑  金重利右衛門に師事

1979年   第25回 日本伝統工芸展入選

1982年   伊部小家谷に築窯

1986年   第三十三回 日本伝統工芸展入選
      日本工芸会正会員に認定される

1990年   第七回田部美術館『茶の湯の造形展」田部美術館大賞受賞

1991年   第2回陶芸ビエンナーレ91’佳作賞受賞
     第四十二回岡山県美術展山陽新聞社賞受賞
     全国焼〆公募展記念賞受賞

1992年   第四十三回岡山県美術展岡山市長賞受賞

1993年   第三回陶芸ビエンナーレ93’佳作賞受賞

1994年   第十一回回田部美術館『茶の湯の造形展」優秀賞受賞

1998年   第四十一回日本工芸会中国支部展岡谷県知事賞受賞

2013年   備前市指定無形文化財に認定

川端さんの備前は、普通ではない。こんな焼きは、川端さんの他にはいない。
すこぶる肌理細かくした備前の異なる土ふたつを練りこんで独自の造形を施す。
大きな窖窯で18日間焼き締めたうつわは練込みの肌がマーブルのように縞状の文様を描き出す。
緋襷が走り、胡麻や焦げ、窯変などが彩りを添える。手にした時から、使っている限り、うつわは育ち続けて愛着が増す。


小野空女

小野空女 / Ku-nyo

「華薩摩」という呼び方は、磁器の上に色絵細描を施したものに与えられる。
それを行った空女さんの命名によるもの。
幕末から明治にわたる開化期に「薩摩」と称されるうつわが、欧米の人たちにもてはやされ、かの地の人たちは、その精妙、華麗な描写に驚嘆して、買い求めたのです。
かつての、陶器による細描を磁器の上に描く「華薩摩」。白く輝く磁肌の上で一層の魅力を醸し出します。


1978 京都府立陶工訓練校卒業
1979 清水焼窯元に絵付け師として就業
1996 京都伝統工芸大学校の絵付け講師に就任
2001 陶磁器絵付け作家として独立
 
・現在、京都市在住
・伝統の京薩摩の技法を現代に活かして、磁器上に細描する「華薩摩」を考案
・染付、金彩、赤絵細描など多彩に描く名手


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